煉瓦の形状による種類
基本形の普通煉瓦は「おなま」と呼ばれる。その半分の大きさは半桝(はんます)、縦方向に2本に割ったものは羊羹(ようかん)、その半分の大きさは羊羊羹と呼ばれている。オランダ積みの角の部分に用いられる3/4の長さの煉瓦は七五、逆に1/4の煉瓦は二五分、アーチ部を構成する迫持煉瓦などがある。
煉瓦の寸法
煉瓦積職人は右手にモルタルを扱う鏝(こて)をもち、左手1本で煉瓦を積むため、片手で掴むことのできる大きさ(幅)でなければならなく、煉瓦の大きさは人の手の大きさによって決まる。
日本に伝えられた初期(幕末・明治初期)の煉瓦は、西洋人の体格に合わせたものをそのまま輸入したため大振りであった。明治後半になると大量見込生産の時代を迎え、明治38年には5種類の寸法に収斂していた。
並形 : 7寸4分×3寸5分×1寸7分5厘(244×106×53mm)
東京形 : 7寸5分×3寸6分×2寸(227×109×60.6mm)
作業局形 : 7寸5分×3寸6分×1寸8分5厘(227×109×56mm)
山陽新形 : 7寸2分×3寸4分5厘×1寸7分(218×105×52mm)
山陽形 : 7寸5分×3寸5分5厘×2寸3分(227×107×70mm)
210×100×60mmという数値は関東大震災後の再出発、大正14年の日本標準規格(JES)第8号で採用・公布された。
フランス積
ヨーロッパ大陸西海岸沿いのフランドル地方で発達した煉瓦の積み方。煉瓦の長手と小口を交互に積む方式。壁の表面には華麗な柄が現れ、最も煉瓦らしく美しいといわれている。その反面、フランス積はイギリス積より構造的に弱い。(壁体の内部で一定の間隔を置いて規則的に芋目地が生じるから。)
イギリス積
煉瓦を長手だけの段、小口だけの段と一段おきに積む方式。フランス積みに比べると、イギリス積みは丈夫であり、また作業も各段ごと積み上げていく際に、煉瓦を同一方向に並べるだけで繁雑さを伴わない。
オランダ積
ほぼイギリス積と同じであるが、端部の積み方が異なる。
フランス積は明治10年代までで、その後はほとんど姿を消している。イギリス積は20年代以降、特定の理由がない限り、当然のようにして採用されている。オランダ積を含むイギリス積は、大正12年9月1日まで主流の積み方として幅を効かせた。
ホフマン窯
煉瓦を焼くための窯。昭和26年5月1日には50基存在していたが、現在は日本に4基のみとなっている。だが、稼働しているものはない。
・栃木県下都賀郡野木町 旧下野煉化製造会社
・埼玉県深谷市 旧日本煉瓦製造
・滋賀県近江八幡市 旧中川煉瓦製造所
・京都府舞鶴市 旧神崎煉瓦
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宮内 勇一 (木曜日, 28 2月 2019 16:01)
質問です。
迫持煉瓦はどのように作るのですか。
焼く前に整形するORカットする。
またはその他の方法。
少し、煉瓦積みの件を学習しております。
宜しくお願いいたします。