地霊を体感する建築-福岡東峰村のシビックプライドを育む故郷プレイス-/ITB15

小石原の俯瞰写真

皿山地区が木々で守られていることが分かる。

小石原の固有の雰囲気

■行者杉が作り出す神聖な雰囲気

行者杉:修験道の修験者たちが献木(挿し穂)してできた杉の巨木群

峰入りの際に、修験者が小石原まで登ると初めて英彦山の全景を拝むことができたため聖域的な地とした。

修験者が杉を献木して行者杉のような巨木群があるのは小石原だけ。

大王杉

幹回り約8.3m、樹高約55m。林野庁の「森の巨人たち百選」に選定。

修験道との深い関わりがあった地ということは地名の由来からも分かる。

小石原の地名の由来:

①行者道だった盆地状の高原ということから、「腰原」、「越原」は変化したもの。

②小石の多い原っぱを指して呼んだ地名。

■皿山の窯元の静かな・守られた雰囲気

黒田藩の御用釜として、窯業に適した地質や自然環境があり、技術を守るために行者杉のある小石原皿山に隠すように窯が置かれた

そのため、現在では行者杉が皿山の窯元の存在を分かりづらくしてしまっている。

民陶祭以外はほとんど人が訪れないので、守られた雰囲気を寂しい冷たい感じと捉えてしまいがちである。

小石原の固有の雰囲気であることを理解してもらうべきではないか。

■外部に閉鎖的で、内部に開放的

皿山の窯元は外部から守られており、現在も車はほとんど通らないため、洗濯物が干してあったり、素焼きの焼物が並んでいる。そのため、生活感が感じやすい。

 

かつての小石原の風景:茅葺き屋根の民家や杉皮屋根の登窯

・かつて小石原の民家:茅葺き屋根、瓦葺きの庇

この造りは珍しくはないが、現在は皿山地区に4軒存在を見ると都会にはない雰囲気を作っている。

・かつての登窯:杉皮屋根

現在はトタン屋根になっており、窯元らしい風景が薄れている。

小石原の固有の雰囲気を感じづらい国道沿い

理由: 

①車社会に対応した駐車場が広いつくりになっており、建物の裏の木々も迫って生えていないので、小石原特有の木々に守られた雰囲気が感じられない。

 

国道沿いと皿山へと繋がる道の結節点にある公共施設群や国道沿いの窯元は、それぞれ塀やフェンスで囲っていて閉鎖的になっている。来訪者に敷居が高いイメージを持たせている


③人と人との距離が近いにも関わらず、現在の道の駅には住民と来訪者が関わる仕組みがない。

道の駅は登窯をイメージしているが、木質な感じがあまりない。

公共施設群を中心に国道沿いを小石原固有の雰囲気を感じる空間にする

・旧道の裏に杉を植え、伐採禁止区域にして、木々に守られた雰囲気の空間をつくる。

・旧道や皿山に繋がる道を小石原の地名にちなんで、小石舗装にする。

・空間を途切れさせていたり歩行の妨げになる塀やフェンスを、木々や草花にしていき、緑のある田舎らしいの風景をつくり、歩きやすい環境を整える。

・役場と道の駅の間の診療所と駐在所を旧道沿いに移動させ、行き来のできる公共空間をつくる。

・登窯をイメージして作られた道の駅の屋根を、かつての登窯のように杉皮屋根にする。

・役場の屋根をFRP製のパネルを用いて、茅葺き屋根に見えるようにする。

これから、村が合併したことで空間が余っている役場を地霊を感じるように改修していきます。


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コメント: 3
  • #1

    admin (火曜日, 27 1月 2015 10:48)

    *建築学科なので、こういう文系的な説明ではなくて、「図面」で示して欲しい。
    *前半に書いてあることを図面で示し、そこから分析を行い、問題点を明確にしていく。
    *感想や印象を元に話を組み立てても、訴求力がないだろう?

    *アカイと行者杉と英彦山と窯場の位置と範囲と関係を示し、その歴史的背景を明らかにする。
    *その上で問題点を図で示す。行者杉が邪魔なのは問題点にならない。
    *役場を茅葺き屋根にすることと、前半は関係がない。
    *地霊は、山と杉と窯場だけか? 地形や歴史は?文化は?食事は?音は?匂いは?
    *この提案なら 文系の人でも考えられるし、地霊の背景と関係なく、単発的なアイデアの羅列である。地霊を感じさせる構造が必要。それを分析する。

  • #2

    admin (水曜日, 28 1月 2015 11:11)

    まずスケッチ

    *皿山地区が木々で守られている
    *行者杉が作り出す神聖な雰囲気
    *あかいとスギの存在を重要視した英彦山修験道
    *皿山の窯元の静かな・守られた雰囲気
    *窯業に適した地質や自然環境があり、技術を守るために行者杉のある小石原皿山に隠すように窯が置かれた。

  • #3

    admin (水曜日, 28 1月 2015 11:13)

    *どこが皿山地区で、どのように木々で守られているのか?
    *どこが行者杉のエリアで、どこが神聖な雰囲気を醸し出しているエリアか?
    *アカイと行者杉と英彦山と窯場の位置と範囲と関係は??
    *アカイと行者杉と英彦山と窯場の歴史的背景はどう示せるのか?
    *かつての関係は、現代において、どういう風に失われているのか?
    *英彦山はどこからよく見えるのか? かつて行者たちはどこに住んでいて、それはなぜか?
    *アカイと行者杉と英彦山と窯場の関係が地霊だとすれば、それを現代に置き換えるとどういう提案になるのか?
    *旧道に木を植えたり、茅葺きにしたら、なぜ地霊を感じるようになるのか? スギ=地霊?茅葺き=地霊か?
    *院生らしく、きちんと考えながらスケッチを描き、分析図を描いて、疑問を明らかにしていく。