仮構性をもつ境界を用いた同時存在空間/HSGN5

 森のすみかの体験の前後で内外が同時存在する体験 「森のすみか」(前田圭介/UID) のエントランス部分において、空間は変化しないが体験の前後で内外の認識が変化し、同時存在した空間に魅力を感じた。

 

 森のすみかでの、体験(時間)によって内外の認識が変化する点が、一時的に空間が現れ、消える神籬の日本的空間認識と類似している。神籬には、実際にはないことを仮に、一時的に作り出す仮構性が存在している。

 

 仮想境界はある物体の形状を知覚的に補完することで生まれる境界である。初めの空間では見えないが、体験(時間)によって視界中に見えてくる「隠れた」仮想境界に仮構性があると考える。この一連の空間体験により同時存在空間が生まれるのではないか。これにより単一空間内に機能、異なる領域を併存させることができる。

 

目的

 本修士設計は、日本的空間認識における仮構性に着目し、体験の前後で空間の認識が変化する「同時存在空間」をもつ建築の作成を目的とするものである。

 

敷地 新旧の歴史が同時存在する新潟県柏崎市えんま通り

 かつて旧北国街道の宿場町であり、指定文化財とされている「閻魔堂」がシンボルである柏崎市えんま通り商店街。中越沖地震によって建物が倒壊しかつての町並みが崩れ、現在では開発が進み新旧の歴史が同時存在している。

 

提案 都市構造を継承し地域を結ぶ市民大学

 柏崎には私立大学が2つ設置されているが中心市街地から5㎞以上離れた郊外にあり、町との繋がりがない。そこで大学の機能を一部えんま通り商店街へと移す。同時存在空間を用いることで学びの空間の中に都市構造を存在させ、商店街と一体となるサテライトキャンパスを提案する。

 

えんま通りから半径500m圏内では市街地の中でも平均年齢が高く高齢者が多く、小中高の集中した公共施設ゾーンもあるため市民の空間としても開く。

 

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コメント: 1
  • #1

    東海大学工学部建築学科 (水曜日, 23 1月 2013 19:00)

    全く進まないし、作業をしている気配もない。卒業は諦めたのだろうか?
    今日中に梗概をアップすること。

    *「仮構性を持つ境界」と「同時存在」はどんな関係にあり、それらと柏崎に提案する建築はどうつながるのか?
    *えんま通り商店街にサテライトキャンパスを提案することは良いが、何と何の同時存在を求めるのか?
    *仮構性を持つ境界は、柏崎とどう関係するんのか?