木造住宅密集地域における公私の曖昧さを保持する都市修繕/KT2

タイトル:

木造住宅密集地域における公私の曖昧さを保持する都市修繕

副題:

荒川4丁目49番地再下町化計画

 

シナリオ:

 本修士設計は、防災整備が急務とされている木密において、下町らしい人間関係を作り出している公私の曖昧さを保持する都市修繕の在り方を目的とするものである。

 東京都荒川区荒川4丁目49番地を調査敷地とし、公私の曖昧さを作り出している歩行可能領域、道路幅員、庇またはベランダのせり出し、開口の量、地面のテクスチャの5つの要素に着目し、それらを路地や隙間に記述した。

 荒川4丁目49番地には未接道敷地や災害時に機能する避難道路に接道していない危険な敷地が多く存在している。しかし、一般的な手法でこれらの敷地を 防災上健全に機能する整備 を行うと、街は公私の曖昧さを失ってしまう。

 そこで、避難道路に接続している既存の木造住宅を修繕することで、修繕する建築に隣接する避難道路に接道していない敷地を防災上安全なものとする。

 具体的には、アーメダバードの住宅の一階部分が共有の通路となっているポルの住宅や、ポルトガルの歴史的な建築の一階を通路として解放することで広場と大通りを結びつけ、美術館・書店・学生寮へとコンバージョンした、マヌエル・マイア・ゴメス設計ガレリアソーラーSロックをレファレンスに挙げ避難路地の計画を行う。

 火災への対応として低膨張防火ガラスで通路を覆うことで都市の中の避難区画として機能させる。

 新しく既存住宅の中に作られた通路に歩行可能領域などの公私の曖昧さを作り出している5つの要素を付加することで、荒川4丁目49番地の公私の曖昧さを保持した都市修繕を可能にする。また、避難路地は街の中に新たな関係性を生み出すきっかけともなり得る。

 

 

*今週調べたレファレンスをdropbox   laboratory_folder 院2012〜13 の中にいくつかの分類に分けて入れました。まだ工法や構造に関しては理解していないことが多くこれから勉強していこうと考えています。