隙のある建築/TGC3

 

 

■隙とは

隙とは 不足しているものから新たな良さがあるもの(生まれるもの)

不足していることで使えない(使いにくい)部分もあるが、その割合が重要である。

 

■隙と隙間との違い

人が入れない、何の機能のない隙間は使えない空間なので隙がある空間と言えます。

隙間は隙の一部だと思います。

 

■隙と無駄

使えないという点で「無駄」という言葉がある。

無駄は役に立たないこと、効果や効用のないことをいうが「隙」と同じだろうか。

 

隙は何かが不足する「引かれる」ことで、不便になったりはするがそのもの自体に

まったくの意味を持たないわけではない。人によってはそれらが魅力的に感じることもある。

しかし無駄は何かに「足す」が、そのもの自体に意味を持たず役に立たない。

 

つまり「隙」は不便にになる部分はあってもそれがまったくの「無駄」ではない。

 

 

■隙のない建築

完璧なもの、隙のないものを建築でいうならば ツッコミどころがなく、よく解けているもの、

 マンションやオフィスビルなどの特に欠点のないニュートラルな空間のこと。

 

対して隙のある建築は、どこかに欠点がある建築だろう。

近年の建築にみられるように、デザインの延長で使いにくい部分ができているもの

それが隙のある建築はなのではないか。

 

雨風が入る、足元が悪い、遮音・遮熱生がないなど

本来使いにくく犬猿されるような点があってもなぜか魅力を的なもの。

 

 

以下にレファレンスをあげる。

 

レファレンス

・遮音、遮熱がない

梅林の家/妹島和代

壁を極限に薄くすることで空間同志を近づけ、家族間のコミュニケーションがはかりやすい空間にした。

(桜の木ギャラリー)

 

 

・雨風が入る

住吉の長屋/安藤忠雄

安易な便利さより風を感じられる住まいであることを優先。

 

豊島美術館/西沢立衞

アートが建築と一体なり、周囲の環境や時間経過により変化をしていくものとなっている。

 

 

・足元が悪い

キリの家/TNA

階段という機能をなくし、身体的な曲率が断続的に繫がる勾配で断面的につなげている。

今まで分節されていた建築の様々構成要素を凝縮した建築である。

 

ラーニングセンター/SANAA

自然の土地は平らなものじゃない。

フラットではなく自然な隆起を表現することでフラットな状態ではできないオープンスペースなどができ、またワンルームを区切ることができる。

 

軽井沢千住美術館/西沢立衞

その土地の傾斜をそのまま生かし、より自然を感じられる。

 

 

・天井が低い

録ミュージアム/中村拓志

あえて天井を低くすることで、木の間をくぐるような自然の中にいるようなふるまいになる。

 

 

・プライバシーがない、遮熱がない

 葉山の小屋/妹島和代

ガラス張りでカーテンがなければ、プライバシーが守れない

「小屋」ということで住宅という敷居を下げ、自由度が高くなった。

(小さな家)

 

 

・入れない隙間

デヤング美術館/ヘルツォーク&ドムーロン

シワを寄せることで空隙をつくった。

それによりホワイトキューブを分節せず、つながりのある空間にした。

デヤングの地下へ行く階段横の隙間は庭としている。

 

 

・順序がない

21世紀美術館/SANAA

ホワイトキューブの間に通路を設けることで秩序がなくなった。

路地のような散策性、迷路性のある空間になる。

 

KAITO工房/石上純也

壁をなくし、明確な境界をなくした。

森のような散策する空間。

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    admin (火曜日, 09 10月 2012 16:18)

    まず「隙」について、正確に調べる。
    「透く」の連用形。
    意味は「物と物との間。余地。 気持ちのゆるみ。油断。乗ずべき機会。 時間の合間。ひま」 など。

    TGCが言うような肯定的な意味はほとんどないはず。
    なぜ、隙があると「新たな良さ」があると言えるのか?
    それを説明出来ないなら、誰もこの論を受け取ることは出来ない。

    レファレンスも同様。TGCの勝手な解説をいくら並べても、誰も理解出来ない。
    これらが隙だというのなら、それを画に描いて説明し、通常の隙の事例と比較して論じる。