街路線分による都市の奥深さの記述/SIK7

■街路線分による都市の奥深さの記述

■奥深さとは…容易にははかり知れないこと。

経路の選択性があると空間(都市)が非常に豊かに感じられ、思わぬ出会いも発生する。

思いがけない場所が作り出されていることで、 都市の印象に深さ(幅)を与えていると考える。

 

■都市街路線分合計

■都市の深さ

 東京の都市を歩いていて、何かに引き込まれているように感じた。私たちは曖昧に認識していながらも複雑な都市構造の情報を取捨選択しているのではないだろうか。方向感覚や距離感が異なる都市の深さに興味を持った。

 

■街路形態における線分

 都市の印象に浅深が生まれているのには、部分的にあるものを、連続的に重ねて繋ぎ合わせていく役割を担っている街路空間が影響しているのではないだろうか。

渋谷の街路形態を線分化してみると一本の街路線分長さは短く、経路の選択性が高さから、認識に振れ幅を与えていていることがわかる。


■目的

 本研究は街路線分に着目し、街路線分数と長さを示すことで、都市の奥深さをビジュアルに記述することを目的とするものである。

■街路図•曲線の検討

■既往研究

街路の定量的な記述を行っている研究として、街路形態の分岐点を抽出し、分岐点と複雑さとの関係を述べているものや、歩行可能領域を都市のあそびとして抽出したもの、隙間数と隙間長さを抽出し、都市の頑強さと都市の隙間の関係を用いて都市デザイン手法へ展開したもの がある。

本研究は、都市解析または都市数理計画に属す研究と位置づけられるが、線分と点で構成される街路形態の街路線分に着目し、都市の奥深さのビジュアルな記述を目的としている点で既往の研究と異なっている。


■街路分岐線分の定義-Street Segment-

交差点からの線分以外にも屈曲した街路などに発生する線分や、袋小路への線分を『街路分岐線分』(以下SS)と定義する。


■街路図の作成

 様々な街路形態を持つ東京の都市を”10”都市を選び抽出対象とした。Google マップの地図モードにおいて書き出した地図データを使用し、道路の中心線に沿ってトレースをする。ただし、見通しが悪い曲線に関しては、道路と建物の関係から見通しを精査し、線分長さと位置を決定した。また、抽出範囲は既往研究を元に駅を中心とした歩行圏半径250 mとした。

 

■各都市のおける街路線分分布図

■交差点に接続する街路線分長さの総和の比較

■SSの奥深度(検討中)

これら数値から交差点でのSSの変化割合(奥行方向の変位)を求めていこうとしています。

■参考文献

* 空間データを用いた都市イメージの構造化・視覚化- 渋谷・原宿・青山を対象事例として

-( 慶應義塾大学大学院  稲坂 晃義 修士論文 2005 年3 月)

* 街路分岐点による街路形態の複雑さの記述(06 年卒 町田 淑之 修士論文)

* アーバンロバスト性を用いた都市デザイン手法(08 年卒 井村 英之 修士設計)

* 都市のあそび- 都市街区における歩行可能領域の記述-(10 年卒 圓道寺ゆみ 卒業論文)

(*1) 高山 幸太郎、中井 検裕、村木 美貴 著「商業集積地における空間の「奥行」に関する研究」

下北沢を対象として- 日本建築学会大会学術梗概集1991 年9 月

(*) 柿原 崇史、坂井 猛、荻島 哲、鵤 心治、出口 敦、村上 英夫 著「街路景観における奥行

きに関する考察日本建築学会九州支部研究報告 第37 回 1998 年 3 月

(*) 井田 洋平、吉川 徹 著「空隙の奥行きに着目した街路空間の分析手法」 日本建築学会大

会学術梗概集2000 年9 月

(*) 高野 裕作、佐々木 葉 著「シークエンシャルな景観体験を考慮した場の景観の分析手法

に関する研究-space syntax 理論を適用した手法の提案と検証-」景観・デザイン研究講演

集 No.3 2007 年12 月

(*) 松本 直司、藤井 勝彦、張 奕文、若山 滋 著/ 壁面後退による街路空間形状意識について

- 街路の空間形状意識に関する研究-/ 日本建築学会計画系論文報告集第474 号1995 年8 月

(*) 寺山 真也、鈴木 毅、舟橋 國男、木多 道宏、李 武 著「都市空間における視覚構造の生

態幾何学的分析」日本建築学会計画系計画系論文報告書 第577 号・2004 年3 月

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    admin (月曜日, 12 12月 2011 14:15)

    画像がピンぼけでよく分からない。
    人まねばかりで、内容が伴わない。
    ひとつずつ理解して、前に進めなければ論文にはならない。

    街路線分について研究するのなら、まず街路線分についてのデータだけで分析をする。
    その結果を曖昧にしたまま、SSの奥深度などの作業をすることは無駄である。

    街路線分長さ・街路線分数・街路分岐線分数・ストリートセグメント数(?)・・・
    まずは、街路線分の分布を比較し、記述する。
    中間の予備実験の結果を出し、論文の方向を絞る。

    あと2ヶ月では間違いなく出来ない。留年やむなし。