軽やかな建築/KMMR6

軽やかな建築

空間の緊張と空気の可視化を用いた建築設計

軽やかな建築

空間の緊張と空気の可視化を用いた建築設計

 

 

1-1.airyな建築_体感的な軽さ持つ空間への興味

空気を一つの建材として扱うことで、「建築材料(材質)による軽さではない軽さ」をもつAiryな建築に魅力を感じた。 Airyな建築は、容積密度操作によって形成され、ボリュームの対比よる軽さ/空気層による光の演出による軽さ/屈折湾曲による表層の軽さがあげられる。これらは、量増による軽さの認識、境界面に対する形態としての軽さの知覚を可能にしているが、視覚的な軽さに留まっており、体感としての軽さを持つ空間を実現しきれていないのではないか。

 

1-2.不均斉な美に見られる動きの知覚

日本には、原型からの崩しによって趣を感じる「不均斉な美」という禅の精神がある*1。 不均斉美の中でも、形態を無秩序に崩していくのではなく、非対称性のなかに力の釣り合いをとることで、静止した状態の中に動きのある緊張関係をつくり出すことのできるアンバランスバランスな部分に魅力を感じた。 

 

1-3.生け花に見られる「軽やかな空間性」

生け花は、Airyな建築がもつ「軽さ」と不均斉美(アンバランスバランス)がもつ「緊張関係にある動き」を単一空間に同時存在している。視覚的知覚による軽さの中に運動状態にある形態の外形(動き)が加わることで、より体験的な軽さに近い「軽やかな*2空間」をつくることが出来るのではないか。 

 

1-4.目的  

本修士設計は、不均斉な美に内在するアンバランスバランスの「動き」のメカニズムを分析することで、視覚的な軽さに留まらずに、体感としての軽さを合わせ持った、「軽やかな建築空間」の作成を目的とする。

 

 

2-1.既存建築におけるアンバランスバランス

アンバランスバランスなメカニズムを持った建築空間を抜粋、分析し「緊張関係」「多方向性/多視点」「奥行き差異の同時知覚」といった効果を持つものに分類した。 

 

2-2.既存建築における軽やかさ

 Airyな建築とアンバランスバランスな建築の特性を兼ね備えた軽やかな 既存建築を抜粋する。 「光の演出と緊張関係」「対比量増と複数の立面」「対比量増と空間の絞り」「湾曲屈折と緊張関係」に分類した。

 

2-3.軽やかな建築の実験/検証

 アンバランスバランスな空間のスタディーを行う。三つのアンバランスバランスの要素をそれぞれスタディーし、これらを組み合わせ、平面断面方向へ展開させた空間を作成した。

アンバランスバランスによって構成された空間は、複数の奥行きや方向性をもち、異なる空間を同時に知覚できたり、複数の立面を持つことが確認出来た。しかし、エアリーな建築に見られた、光による軽さの演出や、境界面に対する軽さは知覚することはできない。

 

3.展望

アンバランスバランスな空間のスタディーをし「Airyな空間」と「アンバランスバランスな空間」を合わせ持つ「軽やかな既存建築」を再度分析、分類けをしていく。軽やかな空間のメカニズムを抽出した後、モデル化し建築設計へ応用していく。

 

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コメント: 2
  • #1

    admin (水曜日, 26 10月 2011 02:32)

    軽やかな建築〜空間の緊張と空気の可視化を用いた建築設計〜
    *副題は再考。アンバランスバランスを入れた方がいいかもしれない。空気の可視化は目的か?

    全体:
    構成が悪い。大塚たちのように、まずモチベーションと仮説をコンパクトに述べ、目的を示す。

    1-1.airyな建築_体感的な軽さ持つ空間への興味
    *前半不要。
    1-3.生け花に見られる「軽やかな空間性」
    *やはり生け花を先に示し、仮説を立てて、目的を書く。
    1-2.不均斉な美に見られる動きの知覚
    *ここは、アンバランスとアンバランスバランスの違いを示し、建築への展開をする。
    2以降
    *ここが分析になっていない。
    *「緊張関係」「多方向性/多視点」「奥行き差異の同時知覚」
    *「光の演出と緊張関係」「対比量増と複数の立面」「対比量増と空間の絞り」「湾曲屈折と緊張関係」
    *これらで、違いが見えるだろうか?

    上村の目指す「軽やかさ」は、どんなものなのだろうか?
    生け花のような建築か?ならば、ゲーリーの建築でいいのでは?

  • #2

    admin (水曜日, 26 10月 2011 09:55)

    上村の文章をそのままタイトルにすると・・・

    軽やかな建築〜アンバランスバランスの動きを用いた建築設計〜
    軽やかな建築〜アンバランスバランスによる動きを用いた建築設計〜