街路空間の視覚深度を指標とする都市イメージの記述/SIK

書き込みが遅くなりました。すみません。

 修士テーマを書き込みました。

ご指導よろしくお願いします。

 

■タイトル

*街路空間の視覚深度を指標とする都市イメージの記述

*街路空間の視覚深度を指標とする都市形態記述

■はじめに

*都市のカタチ

 「都市の形(イメージ)」は主観を含む極めて曖昧なものであり、知覚者により、善し悪しや好き嫌いが個人の感覚に依存してしまう。理解や把握することはある程度可能であっても、実際にその場所を訪れることなしにイメージを伝えることは容易ではない。

 

■研究の背景と目的

*都市認識と被写界深度

 地図を読み取り目的地へ移動する。本来地図は神の視点で実際には見ることのない画像あるが、普段私たちは水平に移動し行動する生物であるため、2次元的なものとして理解する性質を持っている。つまり、水平の視線によって連続的にその視線の到達する距離を測ることにより、空間を視行動的に把握している。都市認識において、街路空間は都市構造の要であり、人の受ける印象が直接都市の印象に結びつく重要な要素であると考えられる。

 本研究は、カメラ用語の焦点の合う領域を意味する「被写界深度」に習い、街路空間における人の視野の広がり、認識可能範囲を数値化、視覚化し、それを連続する空間を軸に考察することによって、街路空間の構成や、その個性(都市の形)を読み取り記述することを目的とする。

 

■既往研究

 space syntax理論を用いて解析を行った研究は、対象が広範囲で行われている、または狭い範囲で行われているため、線分や交差点の関係にのみ着目し、両者を分析することで定量化しているもので、線分や交差点の解析に留まっている。そのため、個々の地域イメージが見いだしにくく、その解析結果はグラフなどの表現が多く、実際の都市空間、街路空間の体験をイメージさせることが、困難である。

 

■都市の深度

街路空間における視覚深度(密度)を線分化し、都市形態の深度領域図を作成し、都市のカタチを都市空間の体験を、より実体験に近い形で記述していく。

*「都市の深度」

(最終的にはこれを元に二次的画を作成=都市を「簡易的に」記述する手法を開発?)

(都市視覚深度変化点(=街路分岐点?ポイント数(個数))、都市視覚奥行き(=変化点から遮蔽物までの到達距離の合計(m))、平均都市視覚奥行き(m)、可視空間および認識可能範囲(=面積)などを求めていく。)

 

■参考文献

多重解像度画像を用いたシークエンス景観記述(06年卒 遠藤 啓介 修士論文)

街路分岐点による街路形態の複雑さの記述(06年卒 町田 淑之 修士論文)

都市の周辺視的認識を用いた郊外住宅地の街路景観設計(06年卒 石井 一哉 修士設計)

アーバンロバスト性を用いた都市デザイン手法(08年卒 井村秀之 修士設計)

 

水野節子、掛井秀一著「都市街路形態のフラクタル解析」日本建築学会計画系計画系論文報告書 第414 号・1990 年8 月

李 京洛、花里俊廣、高橋鷹志 著「スペースシンタックス理論 街路空間の解析」 日本建築学会大会 学術梗概集1991 年9 月

福井 光、服部岑生 著 「可視空間の量と形状の記憶法 イソビスタの三次元化の試み」日本建築学会大会 学術梗概集1994 年9 月

北川 啓介、宇田川 あづさ、近藤 正一、若山 滋 著「視深度による建築平面記述・評価の研究」日本建築学会大会 学術梗概集1999 年9 月

高山 幸太郎、中井 検裕、村木 美貴 著「商業集積地における空間の「奥行」に関する研究」- 下北沢を対象として- 2002 年度第37 回日本都市計画学会学術研究論文集

寺山 真也、鈴木 毅、舟橋 國男、木多 道宏、李 武 著「都市空間における視覚構造の生態幾何学的分析」日本建築学会計画系計画系論文報告書 第577 号・2004 年3 月

青羽 研一郎、小池 博、小林 正美 著 「都市の街路空間における立体ノードの指標化に関する研究」日本建築学会大会 学術梗概集2005 年9 月

 

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コメント: 1
  • #1

    admin (月曜日, 05 9月 2011 17:33)

    これは・・設計なのか?論文なのか?その中間なのか?
    もし論文っぽいものなら、早急にデータをとって、実験を開始しなくてならない。おそらく一人では出来ないので、誰かM1と組む。

    街路空間の視覚深度を指標とする都市イメージの記述
    *「都市形態の記述」ではないだろう。どちらかと言えば都市イメージだが、記述したものが都市イメージであるとはいい切れないはず。
    *「都市の視覚深度」を表現する必要がある。視深度や奥行きなどの延長線上にあるものか?
    *もし、都市視深度が測れたとして、そのゴールはどこにあるのか?測ってから分析するのか?
    *都市数理計画の一種なので、途中が数字になることは避けられない。その先をする必要は確かにあるが、そこまで到達するためには、スタートが遅い。
    *MCDの論文が近いが、中間までにある程度の予測がついていた。そこまでいくのが大変。
    *まず深度の測り方についていくつかの実験を行い、ブレのない方法が見つかったら、エリアを拡げて実験。分析を行って展開性が見えたら、複数の街で行って1次データを作る。
    *1次データを分析して、2次データを作る方法を考える。ここまでが中間発表。

    もし、あと一ヶ月半でここまでいけるなら、論文になる可能性がある。
    手を広げずに、言葉の定義を明確にしながら、少しずつ前に着実に進む。

    このままだと、あと1年半かかる。